全学MD科目責任者アンケート_20170420_mk
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23 高学年でのSGDではそのようなことはない。 • 全学モジュールは発足当初から担当しているが,直近の2回ほどは,学生の受講態度がアクティブになってきた印象がある。おそらくモジュールIでアクティブ・ラーニングの訓練をそれなりに積んできた結果だと考えている。しかし一方で,人の話を長時間傾聴する,という訓練が不足しているのか,通常型講義になるとすぐに集中が途切れ,居眠りに走る傾向がある。 (3)全学モジュール制度に関して • 本来の教養科目に該当する授業を充実させることは難しいのでしょうか。 • 人文系教員が少ないので,開講科目も少なく,教養に大きな偏りが生じてしまう。本当に良い教育を施したいのなら,人文系の教員をもっと使用する手立てを考えるべきだ。 • 本学では人文系教員が非常に少ないために毎年全学モジュールに駆り出されるために教員間の従事機会の不公平感もあって教員側のモチベーションの維持がむずかしい。以前は自身が所属する学部の受講生がいたのでそれなりにやりがいを感じていたが,今の制度では所属学部の受講生を指導できないのでなおさらモチベーションが保ち難い。また「アクティブ・ラーニング」であるが,これまでの本学の執行部やFDでのそれについての説明が,インターナショナル・バカロレアなど最近調べる機会があった教育システムを通じて知った受講生のコンピテンスを培うために学生を主体的に活動させるという,これこそまさに「アクティブ・ラーニング」の要だと気づかされたものとはかなり違っていると思う。換言すれば,今の本学の「アクティブ・ラーニング」はただ受講生を「アクティブ」にすればよいというような風潮であるが,受講生のコンピテンスを培う教育を施すにはやはりその方面のプロがテキストブックを作るなどの努力が必要だと思うが,その作業を一般の大学教員に求めるのは無理があると思う。イギリスのOxford Univ Pressのインターナショナル・バカロレア向けやCollinsの中学校課程向けのテキストブックを読んで,つくづくそう思う。他方,公務員試験で求められる「教養」は高校までの日本史・世界史・国語その他で書名だけ知った古典を岩波文庫で読んで教養に触れるというレベルであるが,本学で行なわれている全学モジュールの「教養」教育はそれとはかけ離れているであろう。これでは本学の学生が教員採用試験などの公務員試験に合格することは非常に難しい。よって本学の全学モジュールはいろいろと問題がある。 • 全学モジュールは試みとしては評価できるが,来年度で最後にした方がよい。ヨーロッパのように高校(リセ,ギムナジウム)で日本の教養課程レベルの学習をしてきている学生対象であれば,教養レベルの小さな副専攻としてのモジュールの意義はあるが,日本の学制はそうなっていない。そのため長崎大のモジュール制は,幅広い教養を身に付けていない学生を増やす結果を生み出してしまっている。たとえば多文化社会学部の学生は,卒業まで一切自然科学系の講義を履修なくてもよい。これが大学教養レベルの内容を分離幅広く英語で問われるTOEFL等のスコアの伸び悩みの原因にもなっている。おそらく,人文社会系の授業をまったく履修しないままに卒業していく理系学生も少なくないはずである。これが果たして時代のニーズに対応した教養課程だろうか?ただし,アクティブ・ラーニングや授業相互参観などは十分な意義があったと思うので,それらは残しつつ,「自然何単位,社会何単位,人文何単位,地域何単位,総合何単位」という形にするべきである。1年でも早く。 • 全学モジュールのメリットとデメリットがあるかと思いますが,同様のモジュール授業について,

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