全学MDテーマ責任者アンケート_170419_nh
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7 • 教員間での打ち合わせが必要なら行うこと。 • モジュール教育立ち上げ時には,テーマ責任者の仕事はテーマのコンセプト立案,担当教員の選出など重要であった。しかし,モジュール教育が軌道に乗り,安定運用が行われている現在では,テーマ責任者は事務的調整役が主であるように思える。事務的照会の大部分は,事務方の努力によりテーマ責任者を通じて行うことが少なくなってきたが,時間割の調整,モジュールニュースの原稿依頼など,依然として事務的照会がある。テーマ責任者の主たる任は,科目の設定,担当教員の選出に特化し,事務的照会がテーマ責任者を経由しなくても済むように運営すべきかと思われる。また,アクティブ・ラーニングの実施については,テーマ責任者が科目担当者に指導・支援するのではなく,科目担当者の能力の範囲内で実施すべきと考える。 • 人文・社会科学系,芸術系,教育原理/教育心理/教育行政・制度論などの教職教養系の教員数が本学では非常に少ないため,教員の定年退職,途中退職,転職があった場合,モジュールを担当する教員の確保が大変厳しい。それゆえテーマ責任者の「モジュールの編成」に関連する仕事は正直言ってやりたくない。医学部では例えば内科の専門教員は数名いるが,教育学部では私のような外国史専門の教員は1人,哲学・倫理学専門の教員は1人というのが通常である。そのために教員の定年退職,途中退職,転職があった場合にモジュールを担当する教員の確保が大変厳しくなる。現在は定年退職者の後任補充もできないような学内の人事事情であるので,全学モジュール体制の維持は教育学部にとって大変な負担になっているといえる。テーマ責任者には厳しい現状である。 • 今回はどうでしたか,今週はどんな学びを得たのですか,といったリアルタイムで個別の受講生の学修成果を質問されても回答のしようがないこと。突発的な事情で学期途中で授業担当者が教壇に立てなくなっても,テーマ責任者が対処できることは限られていること。 • 担当くださる先生方には,「やっていただくだけで十分」という感がある。講義実施に関して批判的意見を言うまでの勇気はなかなか出ない,というのが正直なところ。したがって実質的に統一されたテーマを編成するのは難しく,この点が最大の課題と思われる。 • 科目責任者は渋々引き受けてくれる状況であるため,依頼するのに苦労した。またテーマ責任者から科目責任者に様々な連絡事項があったが,返答が無いことも多く苦労した。 • このモジュールテーマはほぼ担当者が固定しているので,毎年細かい調整を実施する必要はあまりありません。ある程度担当する教員が固定すれば,一度カリキュラムが整えば,あまり責任者の負担は重くないと思います。 • 個々の教員の授業内容や授業方法については,不可侵なところもあると思います。すなわち,調整を行うべきは,内容や方法についてではなく,学生の様子について共有することなのだと気づきました。モジュールの趣旨や目標については,モジュール編成時に確認ができているはずなので,現場レベルでは授業内容と方法の微修正が個々の教員の責任において必要なだけとなりそうです。その他,本アンケートに挙げられていた事項のほとんどが,ルーティーンでこなせるものや,教員個人が考えて調整すべきもののように思われます。それらについては,なにもテーマ責任者が仲介せずとも個々の責任で済ませられる作業のようでした。しかしながら,唯一,学生の様子についてこそは,情報交換をしっかりと行っておくべきだったと思います。そこにテーマ責任者の役割を焦点化しておくことで,学びのコミュニティを醸成することも可能になってくると言えそうです。不要な仲介作業を減らし,重要な情報交換に焦点化することで,より良い授業実践につながるはずです。

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