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77 が、これは「読む力」と同様、中級の割合が高くなったためではなく、指定外回答の割合が高くなっているせいである。回答時を見ると、いずれの年も入学時より初級の割合が減少し、中級の割合がやや高くなっている。学部・学科別に見ると、入学時に初級(A1.1+A1.2+A2.1+A2.2)の割合がとくに高いのは薬科学科と水産学部で8割近い。A1.1の割合がとくに高いのは経済学部(夜間主コース)、歯学部、工学部、水産学部で2割を超えた。A1.2の割合が高いのは、薬科学科で39.5%であった。中級(B1+B2)の割合が高かったのは多文化社会学部の28.6%であった。 回答時にはすべての学部・学科で初級の割合が減った。とくに多文化社会学部では回答時に中級が57.2%、上級が11.4%と、入学時よりも会話力が高めの者がかなり増加した。多文化社会学部以外では、薬学科と薬科学科で5%ポイント以上、中級の割合が高くなった。 つぎに「表現力」について確認する。回答選択肢は図表7-8のとおりである。 図表7-8 (11D) 表現力の回答選択肢 A1 住んでいるところ、また、知っている人たちについて、簡単な語句や文を使って表現できる。 A2 家族、周囲の人々、居住条件を簡単な言葉で説明できる。 B1 簡単な方法で語句をつないで、自分の経験や出来事、夢や希望、目標を語ることができる。 B2 興味関心のある話題について、明瞭で詳細な説明ができる。 C1 複雑な話題を、一定の観点を展開しながら、適切な結論でまとめ上げることができる。 C2 論理的な会話で聞き手に重要点を把握させ、記憶にとどめさせることができる。 図表7-9を見ると、全体的には入学時に3.5~4.5割の学生が初級、5~6割の学生が中級であった。経年変化を見ると、2013年度から2015年度にかけて初級の割合がやや減っているが、中級の割合が増えているわけではなく、指定外回答の増加によるものである。回答時を見ると、いずれの年も、入学時よりも初級の割合が減り、中級の割合が増えていた。学部・学科別に見ると、入学時に初級(A1+A2)の割合が高いのは経済学部(夜間主コース)の51.0%、水産学部の48.6%、工学部の43.2%、環境科学部の42.3%、歯学部の41.0%である。中級(B1+B2)の割合が高いのは薬学科の68.5%、薬科学科の65.8%、多文化社会学部の62.9%である。回答時にはいずれの学部・学科も初級の割合が減少し、中級と上級の割合が高くなった。とくに、多文化社会学部、薬学科、薬科学科では中級が7割台後半となり、入学時よりも10%ポイント近く増加した。また、多文化社会学部では上級の割合が最も高く18.5%であった。

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