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73 第7章 1年生の英語力と渡航経験 本章では、本学の1年生の、入学時とアンケート回答時(11月頃)それぞれにおける英語運用能力の自己評価、海外への渡航経験、ならびに英語外部試験の受験経験について確認する。 1.英語運用能力に対する自己評価 図表7-1に示すように、英語力の自己評価に関する設問は「聞く力」、「読む力」、「会話力」、「表現力」、「書く力」について、入学時と現在それぞれについて聞いている。選択肢はそれぞれの能力ごとに設定されており、A1とA2が初級、B1とB2が中級、C1とC2が上級と定められている。なお、本設問も他と同じく該当するものをひとつ選択するように指定されているが、段階を飛ばしてふたつ以上マーク(例:「A聞く力」で、A2とB2にマーク)した学生も多く、こうした場合は「指定外回答」として扱っている。そのため、他の質問と比較して「指定外回答/無回答」の割合が高くなっている。 図表7-1 [11]あなたの英語能力を聞く力、読む力、会話力、表現力、書く力の5つの観点から自己評価した場合に到達していると思うレベルを、①入学時と②現在それぞれについて1つずつ答えてください。 (11A) 聞く力 (11B) 読む力 (11C) 会話力 (11D) 表現力 (11E) 書く力 まず、「聞く力」について見てみよう。レベルの設定は図表7-2のとおりである。 図表7-2 (11A)聞く力の回答選択肢 A1 はっきりと、ゆっくり話してもらえれば、聞き慣れた語やごく基本的な表現を聞き取れる。 A2 最も頻繁に使われる語彙や表現を理解することができる。 B1 身近な話題について、明瞭で標準的な話し方の会話なら要点を理解することができる。 B2 テレビのニュ-スや時事問題、標準語の映画ならほとんど理解できる。 C1 特別な努力なしにテレビ番組や映画を理解できる。 C2 母語話者の速いスピ-ドで話されても、どんな種類の話し言葉も難無く理解できる。 図表7-3を見ると、全体的には入学時は5~6割の学生が初級(A1またはA2)と回答している。経年変化を見ると2013年度に比べて2014年度、2015年度には初級の割合が減り、中級(B1またはB2)の回答が増えた。回答時(1年生の12月頃)は2013年度には4.5割が初級であったが、2014年度、2015年度には3.5割程度が初級だと回答した。いずれの年も入学時に比べて、回答時の方が初級だという回答が減り、およそ10%ポイント程度、中級が増えている。学部・学科別に見ると、入学時に初級(A1+A2)の学生が多かったのは、経済学部(夜間主コース)で62.7%、水産学部で55.3%、工学部で53.8%、教育学部で48.2%であった。入学時に中級(B1+B2)の学生が多かったのは薬学部の65.8%と多文化社会学部の52.8%であった。 回答時を見ると、いずれの学部・学科でも入学時より回答時のほうが初級という回答が減り、中級が増えている。とくに大きな変化があったのは多文化社会学部で78.6%が中級だと回答し、入学時よりも25.8%ポイント上昇した。多文化社会学部では上級の割合も7.1%ポイント増加した。その他、中級の割合が5%ポイント以上増加しなかったのは2学部・学科のみで、経済学部(夜間主コース)と保健学科であった。

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